ラップと思い出

Hip Hop好きが好きな曲を勝手に載せていきます

【洗脳 (feat. DOGMA, 鎮座DOPENESS) / Awich】

 

【今日のオススメ】

今日紹介する曲は、Awichの洗脳 (feat. DOGMA, 鎮座DOPENESS)です。

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Awich 「孔雀」

1月11日にリリースされたAwichのアルバム「孔雀」。

私は1月11日0時00分になった瞬間ダウンロードしました。普段は、初めて聴くアルバムは頭から通しで聴いていくのですが、今回は曲名のインパクトの強さと共演者の豪華さから我慢できず「洗脳 (feat. DOGMA, 鎮座DOPENESS)」から聴いてしまいました。

かなり期待して聴いてみたのですが、この期待を遥かに越えてきた最高の仕上がりでした。

かなり政治的要素が強く、多くの若い人には耳が痛いもしくは何を言っているのかが分からない曲となっているかもしれません。簡単に言うと、「洗脳された結果、政治に無関心な国民だらけ。バカばっかだ全く。」という曲です。

日本ではなぜか政治に関する発言はタブーみたいな風潮がありますよね。少しでも政治的発言をすれば腫れ物扱いされたり、愛国心について言及すればネトウヨなどと言って嘲笑されます。

自分が住んでいる国をより良くしていこうという議論の何がおかしいのでしょうか?自分やこれからできるであろう自分の子孫のためにこの国をよくしたいとは考えないのでしょうか?自分が政治に無関心かつ無知であることを正当化したいがために、真剣に考えている人たちを異常者扱いしているだけなのではないでしょうか?

この曲は、そんな日本という国に、今この時代に生きているたくさんの若い人に聞いてほしい曲なんです。この曲を聴いて、少しでも政治への意識が変わってくれればと思います。

歌詞が訳分からないという人もいると思うので、下に特徴的な歌詞を何個かピックアップして、私なりの見解から解説していきたいと思います。

 

【歌詞解説】

・「スキャンダル種まき分割統治 指をさしあう愚かな凡人

→この歌詞は分割統治という言葉さえ知っていればすぐに理解できるので簡単に説明します。

分割統治とは、統治する者(政府)が統治される者(国民)を人種、宗教、階級などによって分割(グループ分け)して統治することです。そうすることによって、同じ国民であるのにも関わらず分割されたグループ間での争いが起き、統治される者(国民)の怒りや関心の矛か先が統治する者(政府)に向かうのを避けることができるのです。

「スキャンダル種まき分割統治」を最近の例を取り上げて説明します。先日、桜を見る会が問題視され国民の怒りが政府に向き始めたのと同時期に沢尻エリカが薬物関連で逮捕されましたね。このことにより、政府に向いていた国民の怒りや関心は一気に沢尻エリカに向くこととなり、愚かな国民はすぐに桜を見る会に無関心となりました。

政府は芸能人のビッグスキャンダルを知っておきながらネタを溜め込んでいるのです。これが「スキャンダル種まき」にあたる事実です。

芸能人と一般人は同じく統治される者同士ではあるものの違うグループに分割されています。芸能人は一般人の憧れであり特別な存在であると同時に、悪を働くと一般人からありえないくらい叩かれるという性質を持っています。これが「分割統治」にあたる事実です。

政府の悪事が表沙汰になり国民の怒りが政府に向いた時、溜め込んでいた芸能人のスキャンダルを放出し一般人の怒りや関心をそちらへ向かせるのです。そして、一般人は政府への怒りを忘れて、同じく統治される者である芸能人を叩き始めるのです。これが「指をさしあう愚かな凡人」にあたる事実です。

要するに、「政府は芸能人を利用し怒りや関心の矛先をすり替えているが、国民はそれに気づかず愚かにも内輪揉めをしている」ということだと考えます。

 

・「セックス、スポーツ、スクリーン 目が眩む愚民 操るルーティー

→セックス、スポーツ、スクリーンとは、戦後GHQが日本に対して行った占領政策の一つである3S政策のことです。

この政策によって、日本で性風俗が解放され(セックス)、映画などのエンターテインメントが隆盛し(スクリーン)、プロ野球が国民的娯楽となりました(スポーツ)。

そして、それらの娯楽によって戦後の国民の不安や政治への関心を逸らし、国民を自由に操ろうとしました。今の日本の若い層の投票率を見ればこの政策がいかに有効的であったかは一目瞭然ですよね。

 

・「もう飽きたんだよ味のしないガム

→このDOGMAのバースの最初のフレーズですが、何気ないようでかなり勘ぐってしまいます。

戦後、日本の子供たちが米兵からガムやチョコレートをもらったという話を聞いたことがありますか?当時、敗戦国である日本は非常に貧しく、子供たちは米兵からガムやチョコレートをもらって大変喜んだそうです。

しかし、喜んだのは子供だけではなく大人も同様でした。GHQによる3S政策などで娯楽というガムをもらった大人たちもすっかり洗脳されてしまい、事実上のアメリカの属国となることを喜んで受け入れました。

今でも、政府がアメリカに有利で日本にとってはとても不利な政策をとろうとしても、目先の娯楽にとらわれて政治に無関心な若い層が多すぎるためそれがまかり通ってしまいます。

今までアメリカからもらったガムを笑顔で噛み続けていた結果、アメリカから搾取され少しずつ日本は貧しくなっています。そして気付かぬうちに今、日本国民が二度と笑顔になれなくなる瀬戸際まで来てしまっています。

この歌詞でDOGMAが言いたいのは「もう味のしねーガム(娯楽)はいらねーからアメリカの言いなりにはならねー」というところでしょうか。あとはいまだ洗脳されてる愚民よ、目を覚ませと言ったところでしょうか。

 

・「カミに数字が書かれてる そのカミをみんなで信じてる

→これめちゃくちゃパンチラインじゃないですか?お金を紙と神でかけてるわけですが、お金になんの疑問も抱いたことがない人にはあまり響かないかもしれません。お金を紙と神それぞれの視点から解説します。

今のお金の仕組みは管理通貨制度という制度の上で成り立っていますが、その前は金本位制という制度で成り立っていました。金本位制とは、金によってお金の価値を保証するもので、国は「金⇄お金」の交換にいつでも応じられるように発行したお金と同額の金を保管しておく必要がありました。

しかし、不況や戦争などにより保管している金の量より多くのお金が必要になりました。そのため金本位制は限界を迎え、国が自由にお金を刷れる管理通貨制度へと移行したのでした。

管理通貨制度では、国がお金を金と交換する義務がないので自由にお金をすることができます。つまり、今皆さんが使っているお金は、金との交換ができない実質ただの紙切れなんです。これが鎮座がお金を紙と言っている理由です。

「でもお金でいろいろ買えるしただの紙切れではないでしょ」と思ったあなた。なぜその紙切れで色んな物が買えるんだと思いますか?それはみんながその紙切れに価値があると信じているからです。お金は一つの宗教であるとも言われています。誰もがその価値を信じて疑いません。お金を稼ぐためにあらゆることをします。お金を神のように崇めています。これが鎮座がお金を神と言っている理由です。

そんなお金ですが、世界中で自由に刷られすぎて今では実体経済を遥かに上回る量が流通してしまっています。これは「本当のお金の価値はみんなが信じているような価値より遥かに少ないよ」ということです。遠くない未来にお金がただの紙くずになる日が来る可能性が高いのです。

鎮座はこの歌詞を通じて、「お金に対する絶対的信頼は洗脳によるものだ。本当に価値のあるものを自分自身で見極めろ。」と言いたいのだと思います。